2010年1月24日

来週イスラエルのシモン・ペレス大統領がドイツを訪問し、アウシュビッツ解放記念日にドイツ連邦議会で演説する。

そのための前打ち記事としてFAZ紙の外交問題担当論説委員が、エルサレムでペレスを単独インタビューした。

新聞の1ページ全体を丸々使ったインタビュー。こうした面白い記事は、日本の新聞では絶対に読むことができない。

この中でペレス大統領は「イランが核兵器を保有した瞬間に、中東では核兵器の軍拡競争が始まる。そうなってからでは、遅い。ドイツを含めた欧州諸国はイランに対して直ちに経済制裁を実施するべきだ」と述べ、イランに対して強硬な措置を取ることを求めた。

イランの核兵器開発が、イスラエルだけでなく中東、そして全世界にとって脅威であることは間違いない。しかし果たして経済制裁で、イランが核兵器の開発をやめるかどうか。

これは大きな疑問である。

私はインタビューを読みながら、果たしてドイツ人の記者がガザ戦争について質問するかどうか、非常に興味を持っていた。「イスラエルはガザ戦争で戦争犯罪をおかした」と国連をはじめ国際社会から批判されている。インタビューの終わりの方で、彼はペレスにガザ戦争に関する質問を巧みにぶつけた。

当然ペレスはインタビューの中で怒りをあらわにした。

相手が怒ることがわかっていても、重要な質問を、きちんとするジャーナリスト。大統領が相手の場合、相当な胆力が要求される。私はきちんと質問をしたこの記者に敬意を抱いた。